国有林の特別会計制度 2

しかし「森林生産力を向上する」については、形式に、あるいは理論にのみ走り、余りにも注力しすぎて、造林不適地あるいは国土保全にかかわる地域まで伐採、造林し、真の目的に反する行為も多かったと思われます。


そのため「生産の保続及び経営の合理化に努め」については、その理想と逆に事業の大きな断続、組織の過度の拡大という現実となって、現在のような国有林の弱体化を招いてしまったことは否めないでしょう。


なお、国有林野経営規程は、その後33年と44年に全面改正されています。


「国有林野事業特別会計法」による特別会計の主旨は、国有林の収入は一般会計への繰入れはできても、逆に一般会計からの繰入れは費目毎に特別立法を必要とすることと定められ、平常においては繰入れはできないといういわば一方通行です。


もし経営収支が赤字となることがあれば、借入金をもって賄う定めとなっているのです。


さらにこの法律に先立つ閣議決定の第3項に「右特別会計の運営に当たっては(中略)事業能率を増進せしめ、一般会計への繰入れの増加を図り・・・」とあります。


これでは独立採算制とはいいながら、政府側の誠に勝手な制度というほかないでしょう。


どうしてこんな不公平な制度が続けられてきたのでしょうか。

国有林の特別会計制度

時の政治に、あるいは国有林トップの意志や過誤などにより、軌道を大きく狂わせてはならないことを戒めており、ここに国有林存在の意義があると思うのです。


民有林では一般に永遠保続のできるような大面積所有者は少なく、家計の状況によって伐ったり植えたりするのは当然のことで、保安林などを除けば、規制するいわれはないのです。


終戦直後の昭和22年に農林省山林局所管の国有林、宮内省所管の御料林、内務省所管の北海道国有林の三者が統合されて現在の国有林となり、林野庁所轄となりました。


同年3月には「国有林野事業特別会計法」が制定されました。


その主旨は「国有林野事業を企業的に運営し、その健全な発達に資する・・・」とあります。


農林省は昭和23年に国有林の経営目的等を具休的に示す「国有林野経営規程」を制定しました。


しかし、その第一条で、「国有林は国土の保安その他公益を保持し、国民の福祉増進を図ることを旨とし、森林資源を培養し、森林生産力を向上するとともに、生産の保続及び経営の合理化に努めて、これを経営しなければならないLとしています。


この中で現在までに、「国有林は国土の保安その他公益を保持し」については、民有林に比べてよりよい成績を収めてきたことは一般に認められているところであり、大きな功績であったというべきでしょう。


公益性を重視した税制の改善 2

イギリスでは立木の資産移転(相続・贈与)についてはその時点では納税せず、伐採、譲渡の際に相続税・贈与税を加味した税率で納税する方法を選択できる仕組みになっています。


西ドイツでは林業を含めて森林評価が非常に低くおさえられており、特に20年生以下では備忘価額程度としています。


フランスでは期間30年の営林計画の認定を受けて、それに基づいて施業するものの林地を含めた相続税評価を時価評価の25%としています。


これらの国々では既に公益性を含めた山林の重要性およびその経営のあり方を十ニ分に考慮して、無理な伐採を戒めているものとみられます。


国自らが進めてはならない低伐期施業を余儀なくさせるような、終戦直後からの林業をめぐる税体系の矛盾は早急に改められなければならないでしょう。


えさで釣るような目先、小手先の補助金などはむしろやめるべきであり、根本的な税制の改正を急ぐ必要があるでしょう。


次に、国有林野事業に関する制度の概要について。


明治32年に「国有林野法」が定められ、そこに国有林経営の蒙方針として次のように述べられています。


「国有林の経営は永遠保続の利用を目的とし、その方案は確実なる施業案に依るべし」。


当時の日本における林業知識は相当低く、正式に人工造林などという言葉もあったかどうかと思われます。


にもかかわらず「永遠保続の利用を目的とし・・・」とうたっていることは立派であると思います。


そのことが現在ますます大事な要素となっているからです。


公益性を重視した税制の改善

林業不振の大きな要因である所得税と相続税の改善が進まないのはなぜか・・・


その主な理由としては・・・


1.50年以上という超長期投資であり、投資老と収穫者が異なるため、控除されるべき必要経費の観念か薄いこと、即ち収穫者は後継者であり、その収入について棚ぼた的観念を持っていること。


2.林野庁は国有林が主体となるため、林業に占める税金についての問題意識が薄く、税制改善について消極的なのではないか。


3.林業関係議員はいなくなり、税制改正の要求が届かない。


4.林業の専業者は比較的少なく、全国に散在するため、意志の結集伝達に欠ける。


5.高伐期恒続林経営の有利さが理解されていない。


6.徴税側、納税側ともに余りにも目先のことに終始しているため、抜本的改善の方途が見い出せない。


・・・といったことがあげられるでしょう。


また100年、200年という遠い将来まで待って高伐期林から徴税するなど、とてもそんな悠長なことは考えられないという反論も強いと思われます。


しかし、日本の経済は林業から相続税を徴収しなければ動きがとれないというものではないでしょう。


山林はもはや他の不動産とは大きな相違を生じ、木材生産よりむしろ山林そのものの公益性がますます重要性を高めつつあるのです。


その公益的機能のほとんどは低伐期施業により大幅に低下し、高伐期施業によってのみ確実にその向上が期待されるのです。


経済大国日本の大蔵省がいずれを採るか迷うところはないでしょう。


造林業を守る

「子孫のために美田を残さず」ということわざがあります。


しかし、大蔵省は「子孫のために美林を残させず」と眼を光らせているようなものです。


伐期が長くなれば立木の価格は上昇し利益も大きくなるのです。


・・・しかし、樹齢200年の美林を育てようとしても、仮に30年毎に相続があるとするなら、200年の伐期までに6回も相続税の苦労をしなければなりません。


いつになっても売れるものは安くて、経営の成り立たない青田刈りで、じり貧となるばかりです。


1本1000万円以上などという山林は永久に見られなくなるのです。


税務署にしても相続のつど山林の評価に苦労していますが、結果得られる税収はわずかなものでしかありません。


伐採か譲渡により利益が出たときにはじめて所得税分を含めて課税することとすれば、徴税事務を簡素化できる上に毎年十分な税収を得ることができるでしょう。


その方がどれほど有利であるか、十分に検討願いたいのです。

タカリとゴマカシと紙一重

社会の習慣としては、誰でもご馳走になることはあるでしょう。


しかし、その場合、ご馳走する人が同席しているのがルールです。


こちらだけで適当に食べて、払いのほうはあちらもちというのは、ルール違反ではないかというわけです。


これが世間の常識というものでしょう。


「ツケ回し」の様子を述べたうえで、その原因についてあらまし「教授が学会へ出張するといえば、すぐ航空券とホテルのクーポンが製薬会社や医療機器メーカーから届けられ、出張先ではご馳走攻めに合っているうちにこうなるのであろう」


・・・と遠慮して書いておられます。


恐ろしいことです。


こういうことに平然としていられる神経が恐ろしいですね。


問題の根源は「自からを律する倫理」の有無です。


経理 転職などで社会人になれば接待したり、接待されたりということも少なくないでしょう。


当然、酒を飲む機会もあると思います。


それはそれで結構です。


胸を張って堂々と酒を飲むがいいでしょう。


ただ、「卑」しくなるなといいたいのです。


タダ酒には「卑」が入っています。


タダ酒精神はキタナイ。


タカリとゴマカシと紙一重であるということを知ってほしいのです。

眠りの状態

D期は、たいてい眠りについてから最初の数時間内に限られていますが、それよりも深いE期となるともっと短いものです。


この時期には0・5~1サイクルの、さらに大きく同期化したδ波が主になり、紡錘波はほとんど消失してしまいます。


これが普通のフランスベッドでの睡眠時の脳波であって、そのリズムは眠りの深さにしたがってα→θ→δ波の順序におそくなり、振幅は逆に大きくなっていきます。


ですから別室で脳波を観察していると、被検者が今どの程度眠っているかが、本人を見なくとも言い当てられるわけです。


ところが、一晩中つづけてこうした実験をやっているうちに、脳波ではたしかに目ざめたと思ってのぞくと、予期に反して相手はグッタリ寝込んでいる時期が時々あることに気づいたのです。


この時期はいったん始まると、だいたい20~30分つづき、それがくりかえして、一晩では合計1時間半ぐらいになります。


これがREM期ですが、その最大の特徴は、前にも言ったように急速な眼球の運動です。


最近このREM期にも、7~8サイクルのおそいα波や紡錘波が混入していて、従来考えられていたほど簡単なものでないことが判ってきたそうです。


つまり、この時期には脳の鎮静と興奮の闘いが起こっているようなのです。


これを生化学的に裏づける実験もありますが、別の機会に触れます。


REM期はAIEの普通の睡眠とちがって、たいへん特殊な眠りの状態であって、最近の睡眠研究家の注目の的になっています。


そのことについては次に解き明かしましょう。

沖縄の白銀堂伝説

沖縄には独自の文化があり、節句なども独特です。


40人ほどの漕ぎ手は白銀堂に参詣をすませ、ハーリー唄を威勢よく歌って、糸満の海を漕ぎまわります。


このパレードに呼応して、娘子女房群が浜へ出て、鼓を打ち鳴らし、歌い踊って雰囲気を盛り上げます。


その熱狂に呼応し、三艘の舟が波を蹴って漕ぎ出すのです。


競漕に劣らぬ見ものは、この女性応援団の手踊りで、競漕に応じた島唄を歌い、鼓を叩いて、それぞれの個性で自由に踊るので乱舞と呼びます。


この情熱的南国調の踊りは人気を呼び、沖縄ツアーなどで遠くから人を集めています。


爬龍船の乗員は鉦叩き2人、舵取り2人、旗振り3人、それに前乗・中乗・櫨乗とあって、漕ぎ手32人ときいています。


先年、私は人口4万に達した糸満市を訪ねましたが、街は見違えるほど立派になり、白銀岩・白銀堂の伝説にそぐわないくらいの、堂々たる社殿が、鎮座していました。


「白銀堂の由来」は『遺老説伝』に発したらしく、人により多少の相違はありますが、民衆の合作した文学とうなずけます。


・・・というよりも、民話こそは、文字通りの国民文学でしょう。


白銀堂伝説は実話といい、主役ふたりの名も新聞で報じられたりしましたが、私にとりその詮議は全く無意味でしょう。


そこにこそ私の美学が・・・といいたいです。

ガットと農業 3

しかし、はたしてそうでしょうか。


ガットの自由貿易原則とはそれほど確乎とした、自明なものであるのかどうか。


むしろそれはさまざまな例外と解釈の余地を残した、きわめて柔軟で弾力的なものではないでしょうか。


また、ガットの諸規定はどれだけ各国の貿易政策をしばり、どの程度の法的規制力を現実に発揮しているのでしょうか。


逆にそうした法的規制が十分にはたらかない部面ではどのような事態が生じているのでしょう。


さらに、1970年代以降の世界経済の大きな構造変化のなかで、ガットの自由貿易原則ははたしてどれだけの現実適応性をもっているのでしょうか。


むしろガットはそうした現実の変化に引きずられて、制度的にも実態的にも本来の原則から大きくそれる方向に動いているのではないのでしょうか・・・。


世界経済のなかで果しつつあるガットの役割とその変貌を客観的にとらえるためには、その自由貿易原則を抽象的・形式的にうんぬんするのではだめでしょう。


われわれはガットの内部に立ち入り、その基本的論理構造と現実的機能とを世界経済の実態とのつき合わせのなかで検討してみることが必要なのです。

ガットと農業 2

これらの事態に直面して、農業関係者の間には危機感を通り越して一種のあきらめムードが次第に拡がってきています。


それは、具体的には「ガットの場では日本は少数派なのだから何を主張しても押しきられてしまう」といった力関係派から、


「ガットは自由貿易を原則とする国際機関であるから農業もこれに従わざるをえない」という原則肯定派。


さらには「ガット規定は国際的に取決められた条約であるからこれに違反することはできない」とする順法派など、人によってさまざまです。


しかし、そこに共通してみられるのはガットの諸規定なり、いわゆるガット体制なりを無条件に所与の前提として受けとめ、日本農業はこれに受動的に対応していかざるをえないという無力感でしょう。


こうした農業関係者のあきらめムードに、農業自由化は世界の大勢であり、自由貿易を守ることが日本の責務だとする一般マスコミの軽薄な論調が強く影響していることはいうまでもありません。

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