ガットと農業
いま、ガットが農業関係者の熱い視線を浴びています。
農業国際化の進行にともない、日本農業のあり方がガットの場で議論され、方向づけられる傾向がますます強まっているからです。
たとえば、1988年に決定された農産物残存輸入制限12品目の自由化問題は、アメリカのガット違反という提訴を受けたガットのパネル(紛争処理小委員会)がこれをクロと判断(らっかせいと雑豆を除く)したところから生じたものです。
同じく88年に決まった牛肉・オレンジの自由化問題も、直接的には日米二国間協議によるものです。
しかし、その源をなす中川・ストラウス協定(1979~82年)はガットの東京ラウンドの一環として締結されたものです。
さらにアメリカは米についてもガットでの協議をちらつかせつつ市場開放を迫っています。
しかもガットの場で問題とされるのは、こうした個別農産物の貿易問題だけではありません。
現在進行中のウルグアイ・ラウンドでは農業問題が交渉の最大の目玉とされ、国際・国内両政策をふくめた農業政策の総体をあらいざらい再検討し、その大幅な縮小ないし廃止を図ることが議題として取上げられているのです。
このように、日本農業の命運がガットの場で決せられようとしているといってもけっして過言ではないのです。